病院のコスト削減アイデア6選!医療の質を落とさず経費を減らすには?
2026.02.02
「病院のコスト・経費を削減したいが、どこから手を付ければいいのか分からない」
「人件費や材料費など大きな支出は気になるものの、医療の質を落とさずに改善できる方法を知りたい」
このような悩みを抱える病院関係者の方は多いのではないでしょうか。
診療報酬改定や人材不足、光熱費の高騰など、外部環境の変化により従来の運用のままでは経営が厳しくなりやすい状況が続いています。
本記事では、病院で取り組みやすいコスト削減アイデア6選をはじめ、病院種別のコスト構造、コストの種類、そして失敗しにくいコスト改善の進め方などを体系的に解説します。
自院の状況に合った改善策を見つけ、無理なくコスト最適化を図るためのヒントとしてご活用ください。
病院でコスト削減が重要な理由

病院経営を取り巻く環境は、診療報酬改定や医療人材不足などの影響により年々厳しさを増しています。
診療報酬は定期的に見直される一方で、医療材料費や人件費、設備維持費は上昇傾向にあり、収益だけで経営を安定させることが難しくなっているのです。
そのため、病院におけるコスト削減は避けて通れない経営課題となっています。
また、経営の安定は医療の質を維持するための重要な基盤です。経営に余力がなければ、設備投資や人材育成に十分な資金を確保できず、結果として医療サービスの質が低下する恐れがあります。
適切にコストを削減して無駄を省くことは、限られた資源を有効活用して、質の高い医療を継続的に提供することにもつながります。
将来に向けて持続可能な病院を経営するためにも、短期的な節約ではなく、コスト構造全体を見直す視点が求められています。
病院のコスト削減アイデア6選

では、病院では具体的にどのようなコスト削減に取り組めばよいのでしょうか。
病院のコストは、人件費や医療品・材料費、委託費、設備関連費用など多岐にわたりますが、すべてを一度に見直すのは現実的ではありません。
そのため、ここでは比較的着手しやすく、効果が出やすい病院のコスト削減アイデアを6つ紹介します。
いずれも医療の質や安全性を損なうことなく、経営改善につなげることを前提とした方法です。
まずは現状と照らし合わせながら、取り組めそうなものから検討していきましょう。
医療品・材料費の価格交渉
病院のコスト構造において、医薬品・医療材料費は大きな割合を占める固定的な支出です。
そのため、これらを見直すことは病院のコスト削減において非常に効果的な施策の一つといえます。
まず検討したいのが、卸業者や仕入れ先との価格交渉です。
例えば、複数の業者から相見積もりを取ることで、市場価格を把握し、今の契約が適正かどうかをしやすくなります。
長年同じ条件で契約を継続している場合は、契約内容や単価の見直しを行うだけでも削減の余地が見つかるケースがあります。
あわせて重要なのが、医薬品・医療材料の使用量を可視化・標準化する取り組みです。
診療科や医師ごとに使用している製品や数量を整理することで、過剰在庫や無駄な使用が明らかになります。
使用実態を把握したうえで製品を統一できれば、仕入れ単価の引き下げや在庫管理の効率化にもつながるでしょう。
ただし、コスト削減を優先するあまり、品質や安全性を下げることは避けなければなりません。
医療の質を維持することを前提に、同等品質の代替品を検討したり、運用改善を進めたりすることが重要です。
医療品・材料費の見直しは、病院経営と医療現場の双方が連携して進めるべき代表的なコスト削減施策といえるでしょう。
人件費の整理
人件費は病院のコストの中でも大きな割合を占めますが、単純に人員を減らすことがコスト削減につながるとは限りません。
重要なのは、配置やシフト、業務分担を見直し、限られた人材を最大限に活かす視点です。
例えば、診療科や時間帯ごとの業務量を把握し、過不足のある人員配置や非効率なシフトがないかを確認することで、無理のない最適化が可能になります。また、特定の職員に業務が集中する「属人化」が進んでいる場合、業務の引き継ぎやマニュアル整備を行うことで、全体の負担を平準化できるでしょう。
さらに、書類作成やデータ入力といった間接業務の効率化も、人件費整理の重要なポイントです。医療職が本来の業務以外に多くの時間を割いている場合、業務プロセスを見直すだけでも生産性向上につながります。
ただし、人件費の整理は進め方を誤ると、スタッフの不満や離職を招くリスクがあります。現場の意見を丁寧に聞きながら改善を進め、働きやすさ・業務負担の軽減につながる形で取り組むことが大切です。
スタッフまで配慮して推進することで、結果的に安定した病院経営・コスト削減の両立が可能となるでしょう。
委託業務・費用の見直し
病院では、清掃・警備・給食・設備保守など、さまざまな業務を外部業者に委託しています。
これらの委託費は人件費に次いで大きな支出となるケースも多く、病院のコスト削減を検討するうえで重要な見直しポイントです。
特に注意したいのが、契約内容や料金体系が長年見直されていないケースです。
契約当初の業務内容と現在の実態が合っていないにもかかわらず、惰性で契約を継続していると、不要なコストが発生している可能性があります。
まずは委託業務の範囲や頻度、成果物を整理し、現状に合った内容になっているかを確認することが大切です。
また、業務内容を明確にしたうえで複数業者から見積もりを取り、委託条件を比較検討するのも有効です。
必ずしも業者を切り替える必要はありませんが、相場を把握することで、契約条件の見直しや改善交渉もしやすくなるでしょう。
ただし、委託費の見直しでは「安さ重視」に偏らないことが重要です。
清掃や設備保守の品質が低下すれば、院内環境の悪化や医療安全への影響が生じる恐れがあります。
コストと品質のバランスを意識しながら、病院の運営にとって最適な委託体制を構築することが大切です。
IT・最新技術の活用
病院のコスト削減を進めるうえで、ITや最新技術の活用は中長期的に効果の高い施策です。
導入時には一定の初期投資が必要になりますが、業務効率化による人件費削減や現場負担の軽減につながりやすいのも特徴です。
代表的な例として、電子カルテの導入や運用の最適化が挙げられます。
紙カルテ管理にかかる手間や保管コストを削減できるほか、情報共有がスムーズになることで業務時間の短縮にもつながります。
また、レセプト入力の自動化やチェック機能の活用により、事務作業の負担軽減や入力ミスの防止が期待できます。
近年では、清掃業務へのIoT導入や、混雑状況に応じた清掃・巡回の最適化といった取り組みも進んでいます。
必要な場所に必要な作業を行うことで、無駄な稼働を減らし、委託費や人件費の最適化にもつながりやすいです。
さらに、自動精算機を導入すれば、会計業務の省力化や患者の待ち時間短縮にもなります。
IT・最新技術の導入は短期的なコスト増に見える場合もありますが、長期的に見れば業務効率の向上と人件費抑制を両立しやすい施策です。
病院全体の業務フローを見直しながら、投資効果を意識して導入を検討すると良いでしょう。
コスト意識の改善
病院でコスト削減を進めるうえでは、経営層や事務部門だけでなく、現場全体でコスト意識を共有する必要があります。
現場にコストの考え方が十分に伝わっていない場合、どれだけ施策を立てても、日々の業務の中で意識されず削減効果が出にくくなるためです。
具体的にコスト意識を改善するためには、数字の見える化と情報共有が重要です。
例えば、医療材料の使用量や廃棄量、委託費や光熱費の推移などを分かりやすく共有することで、「どこにどれだけコストがかかっているのか」を現場が実感できるようになります。
また、コスト削減を伝える際には、スタッフ自身が「削減対象」のように感じてしまわないよう、表現に配慮しましょう。
院内で人件費削減や業務効率化が強調されすぎると、不安や不満が広がり、モチベーション低下や離職につながる恐れがあります。
あくまで目的は「働きやすさの向上」や「医療の質を守るための改善」であるということを丁寧に伝えることが大切です。
コスト意識の改善は、即効性のある施策ではありませんが、継続的な病院コスト削減を支える土台となります。
現場と経営が同じ方向を向いて取り組むことで、無理のない形で改善しやすくなるでしょう。
施設設備における固定費の削減
病院経営において、光熱費・通信費・賃料・リース料といった施設設備関連の固定費は、毎月継続的に発生するコストです。
大きな変動が起こりにくいため見直しが後回しにされがちですが、実は削減余地が残っているケースも少なくありません。
例えば、照明や空調などの設備は、使用状況に対して過剰なスペックになっていることがあります。
稼働時間やエリアごとの利用実態を確認し、不要な点灯や過剰な空調運転を見直すだけでも、光熱費の削減につながります。
また、老朽化した設備を最新の省エネ機器へ交換することで、ランニングコストを大きく下げられる場合もあります。
具体的な施策としては、院内照明のLED化や、空調設備の制御・最適化が代表例です。
特に照明については、すでに決定事項となっている「蛍光灯2027年問題」により、従来の蛍光灯は順次使用できなくなり、LEDへの切り替え対応は避けられません。
対応を先送りにすると、期限間際での一斉更新による工事集中やコスト増加のリスクも想定されます。
そのため、早い段階から計画的にLED化を進めることで、コスト削減と設備更新を無理なく同時に進めることが望ましいです。
参考:蛍光灯2027年問題とは?今からできるLED化対策や補助金について
施設設備における固定費の削減は、初期投資が必要になる場合もあります。
ただし、長期的には安定したコスト削減効果が期待できる部分です。
病院の規模や設備状況に応じて、専門事業者に相談しながら進めることで、無理なく改善していけるポイントでもあります。
このような施設設備における固定費削減については、MASSへご相談ください。
MASSではLED化や空調設備の最適化などに強みを持っており、病院の状況に合わせたコストダウン提案が可能です。
特にLED化はLED導入によって削減できた電気代の範囲から費用をお支払いいただく仕組みのため、初期費用0円で導入を進められます。
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病院のコスト構造・比率とは?

次に、病院の種類に分けて病院のコスト構造や比率について解説します。
一般病院
一般病院では、急性期医療を担う特性上、人件費や医療材料費、設備関連費用の比率が高くなりやすい傾向があります。
具体的な参考データは、以下のとおりです。
| 項目 | 比率 |
|---|---|
| 人件費率 | 54.0% |
| 医療材料費率 | 21.9% |
| 給食材料費率 | 1.7% |
| 経費率 | 19.4% |
| うち水道光熱費率 | 1.8% |
| 減価償却費率 | 5.1% |
参考:独立行政法人 福祉医療機構WAM 経営サポートセンター「2023年度 病院の経営状況について」
このデータからも分かるとおり、一般病院では人件費が全体の半数以上を占めており、最大のコスト要因となっています。
次いで医療材料費の割合が高く、診療内容や症例構成によっては経営への影響が大きくなります。
一方で、給食材料費や水道光熱費などは比率としては小さいものの、日々の運用や設備の見直しによって削減効果を積み上げやすい項目でもあります。
また、減価償却費は急性期医療に必要な高額医療機器や施設整備の影響を受けやすく、設備更新のタイミングや投資計画が中長期の経営に直結します。
一般病院におけるコスト削減では、人件費や医療材料費といった主要項目を無理に削るのではなく、固定費や運用コストを中心に見直す視点が重要です。
コスト構造を正しく把握したうえで、優先順位をつけて取り組むと良いでしょう。
療養型病院
療養型病院は、長期入院患者の生活支援や継続的なケアを担う特性上、医療機器や高度な治療よりも、人によるケアの比重が高いコスト構造となっています。
具体的な参考データは、以下のとおりです。
| 項目 | 比率 |
|---|---|
| 人件費率 | 60.4% |
| 医療材料費率 | 8.5% |
| 給食材料費率 | 3.7% |
| 経費率 | 22.1% |
| うち水道光熱費率 | 2.2% |
| 減価償却費率 | 4.1% |
参考:独立行政法人 福祉医療機構WAM 経営サポートセンター「2023年度 病院の経営状況について」
このデータから分かるとおり、療養型病院では人件費率が6割を超えており、コストの中心を占めています。
医師や看護師に加え、介護職員や支援スタッフなど、多職種による体制が必要となるため、人件費が経営に与える影響は非常に大きくなります。
一方で、医療材料費や減価償却費の割合は一般病院に比べて低く、高度医療機器への投資負担は比較的抑えられている点が特徴です。
そのため、療養型病院のコスト削減では、医療材料費よりも、人員配置やシフトの最適化、間接業務の効率化といった人件費周辺の見直しが重要なポイントとなります。
また、給食材料費や水道光熱費などの経費率も一定の割合を占めており、設備の省エネ化や運用改善によって削減余地が出やすい分野でもあります。
療養型病院では、人に依存しすぎない運営体制を整えることで、経営が安定しやすくなります。
精神科病院
精神科病院では、患者さんの安全を確保した治療環境と、専門性の高い継続的なケアが求められます。
そのため、人による支援の比重が高く、人件費を中心としたコスト構造になりやすい点が特徴です。
具体的な参考データは、以下のとおりです。
| 項目 | 比率 |
|---|---|
| 人件費率 | 62.9% |
| 医療材料費率 | 6.8% |
| 給食材料費率 | 6.1% |
| 経費率 | 20.4% |
| うち水道光熱費率 | 3.0% |
| 減価償却費率 | 4.6% |
このデータから分かるとおり、精神科病院では人件費率が6割を超えており、病院種別の中でも特に高い水準となっています。
専門医や看護師、作業療法士など、専門性の高い人材を安定的に確保する必要があることが、コスト構造に大きく影響しています。
一方で、医療材料費の比率は比較的低く、高額な医療機器への投資よりも、人的ケアや施設環境の維持にコストがかかる点が特徴です。
また、給食材料費や水道光熱費の割合が他の病院種別と比べて高めであることから、入院期間の長さが経費に影響しやすい構造といえます。
精神科病院におけるコスト削減では、人件費そのものを削るのではなく、業務分担の見直しや間接業務の効率化、設備の省エネ化など、運営面の改善によって削減余地を探ることが重要です。
安全性と医療の質を維持したうえで、無理のない改善を進める視点が求められるでしょう。
病院で生じるコストの種類とは?

では、病院で生じるコストにはどんな種類があるのでしょうか。
ここでは、具体的な種類を紹介します。
- 医療品・材料費
- 人件費
- 委託費
- 設備・減価償却費
- その他
医療品・材料費
医療品・材料費は、病院運営において日常的に発生する変動費であり、診療内容や患者数に応じて増減するコストです。
主な内訳は以下のとおりです。
【主な医療品・材料費】
- 医薬品費
- 診療材料費
- 給食材料費 など
医薬品費は、処方薬や注射薬など診療に直接関わる費用で、薬価改定の影響を受けやすく、病院経営に与えるインパクトも大きい項目です。
仕入れ先との価格交渉や同等品への切り替え検討などにより、適正化の余地が生じる場合があります。
診療材料費は、注射器やガーゼ、手袋など使用頻度の高い消耗品が中心となります。
診療科や医師ごとに使用量の差が出やすいため、使用量の可視化や製品の標準化を行うことで、無駄なコストが見つかりやすくなります。
給食材料費は、入院患者向けの食事提供にかかる費用で、病院種別や入院期間によって比率が変動します。
献立設計や仕入れ方法の見直し、廃棄ロスの削減など、運用改善によるコスト調整が可能な項目です。
医療品・材料費の削減を進める際は、医療の質や安全性を損なわないことが大前提です。
単なるコストカットではなく、使用実態を把握したうえで適正化を図るようにしましょう。
人件費
人件費は病院のコストの中でも最も割合が大きく、経営に与える影響が非常に大きい固定費です。
特に医師や看護師など専門職を多く抱える病院では、人件費の管理が経営の安定性を左右します。
主な人件費の内訳は以下のとおりです。
【主な人件費】
- 給与・賞与
- 福利厚生費
- 退職金積立 など
給与・賞与は、人件費の大部分を占める項目であり、人材確保やモチベーション維持の観点からも安易な削減は難しいコストです。
一方で、業務量に見合わない配置や非効率なシフトが存在する場合、人員配置や勤務体制の見直しによって適正化できる余地があります。
福利厚生費や退職金積立は、長期的な人材定着に寄与する重要な費用ですが、制度設計や運用方法によってはコストが膨らみやすい項目でもあります。
制度の内容を定期的に見直し、実態に合った形に調整すると、無理なくコストを管理できます。
人件費の削減を検討する際は、単なる人数削減ではなく、業務効率化や役割分担の最適化によって「生産性を高める」視点も不可欠です。
スタッフの負担増や離職を招かないよう配慮しながら進めると、結果的に病院全体のコスト削減にもつながります。
委託費
委託費は、病院運営の中で外部業者に業務を任せることで発生するコストです。
人件費に次いで大きな割合を占めるケースもあり、契約内容によっては削減余地が見つかりやすい項目といえます。
主な委託費の内訳は以下のとおりです。
【主な委託費】
- 清掃委託費
- 警備委託費
- 給食委託費 など
清掃委託費や警備委託費は、院内環境や安全性を維持するために欠かせない費用ですが、業務範囲や作業頻度が実態に合っていない場合、不要なコストが発生していることがあります。
業務内容を整理し、必要な水準を明確にすることで、適正化につなげることが可能です。
給食委託費は、患者満足度や栄養管理にも関わる重要な項目であり、単純な削減は難しい一方、契約条件や提供内容の見直しによってコスト調整ができる場合があります。提供数の変動や稼働状況に応じた契約になっているかを確認することが重要です。
委託費の削減を進める際は、価格だけでなくサービス品質とのバランスを意識する必要があります。安さを優先しすぎると、院内環境の悪化やトラブルにつながる恐れがある点に注意が必要です。
定期的な契約見直しや複数業者との比較を通じて、病院にとって最適な委託体制を構築することが、安定したコスト削減につながります。
設備・減価償却費
設備・減価償却費は、病院が保有する建物や医療機器、情報システムなどの資産取得に伴って発生するコストです。
日々の支払いとして意識されにくい一方で、中長期的に病院経営へ大きな影響を与える重要な項目といえます。
主な減価償却費の内訳は以下のとおりです。
【主な減価償却費】
- 病院の建物
- 医療機器
- 情報システム(電子カルテ等) など
病院の建物にかかる減価償却費は、施設規模や築年数によって差が出やすく、新築や大規模改修を行った病院ほど負担が大きくなります。
建物自体の削減は難しいものの、将来の改修計画や更新時期を見据えた資金計画が重要です。
医療機器は、高額かつ専門性の高いものが多く、導入判断が経営に直結します。
稼働率が低い機器を保有している場合、共同利用やリース契約への切り替えなどによって、コスト負担を抑えられる可能性があります。
電子カルテなどの情報システムも、初期導入費用だけでなく、更新費用や保守費用が継続的に発生します。
導入目的や運用実態を定期的に見直し、過剰な機能や不要なシステムがないかを確認することが、コスト最適化につながります。
設備・減価償却費は短期的な削減が難しい分、投資判断と長期的な視点での管理が重要なコストです。
計画的な設備投資と運用見直しによって、病院のコスト構造を安定させることができます。
その他
「その他」に分類されるコストは、1項目あたりの金額は比較的小さいものの、病院全体で見ると継続的に発生する固定費・準固定費が多く含まれます。
見過ごされがちですが、積み重なることで経営に与える影響は決して小さくありません。
主な諸経費は以下のとおりです。
【主な諸経費】
- 通信費
- 水道光熱費
- 建物の火災保険料 など
通信費は、電話やインターネット回線、院内ネットワークなどにかかる費用です。
契約内容が長期間見直されていない場合、不要な回線や過剰なプランが残っていることもあり、契約整理やプラン変更によって削減余地が生まれるケースがあります。
水道光熱費は、病院の規模や稼働状況に応じて発生する代表的な固定費です。
照明や空調の使用状況を見直す、設備を省エネ型に更新するなど、運用改善と設備対策の両面から削減を検討しやすい項目といえます。
建物の火災保険料についても、補償内容が実態に合っていない場合、過剰な保険料を支払っている可能性があります。
定期的に契約内容を確認し、必要な補償と保険料のバランスを見直すことが重要です。
これらの諸経費は、短期的かつ大幅な削減は難しいものの、一つひとつを見直すことで着実なコスト削減につながる部分です。
運用と契約内容を定期的に見直すようにしましょう。
病院のコスト削減の進め方

病院のコスト削減は、計画的に進めていくことが大切です。ここでは、具体的な進め方を以下5ステップに分けて紹介します。
- プロジェクトチームを作る
- 問題点や課題を整理する
- 優先順位をつける
- 達成目標と計画を立てる
- 成果を振り返る
STEP1:プロジェクトチームを作る
病院のコスト削減を進めるためには、まず専任のプロジェクトチームを立ち上げることが大切です。
コスト削減は経営判断と現場運用の両方に関わるため、経営層だけ、あるいは事務部門だけで進めると、現場との認識にズレが生じやすくなります。
そのため、経営層・事務部門・医療現場といった、それぞれの立場をバランスよく巻き込みましょう。
チームの人数は必ずしも多くある必要はありませんが、役割分担を明確にしておくことが重要です。
例えば、全体方針を決める責任者、数値やデータを整理する担当、現場の意見を吸い上げる役割などをあらかじめ決めておくことで進めやすくなります。
少人数であっても、目的と役割が明確であれば、実効性の高いコスト削減施策を推進することが可能です。
また、コスト削減を成功させるには、トップダウンの意思決定と現場理解のバランスも重要です。経営層が方向性を示しつつ、現場の実情や負担感を丁寧に把握することで、無理のない改善策を考えることができます。
STEP2:問題点や課題を整理する
プロジェクトチームを立ち上げたら、次に行うべきは現状のコスト構造を正確に把握することです。
感覚や印象だけで判断するのではなく、人件費や医療材料費、委託費、設備関連費用など、現在どこにどれだけのコストがかかっているのかを数値で整理することが重要です。
そのうえで、「どの項目のコストが高いのか」「なぜそのコストが高くなっているのか」を切り分けて考えます。
例えば、人件費が高い場合でも単純に人数が多いのか、配置や業務分担に無駄があるのかによって、取るべき対策は大きく異なります。
原因まで掘り下げて整理することで、的外れな施策を避けることができます。
課題整理の際は、データベースで考える視点が有効です。
部署別・診療科別・月別など、切り口を変えてデータを整理することで、これまで見えていなかった傾向や問題点が浮かび上がります。
数値に基づいて現状を可視化することが、次のステップである優先順位付けや施策立案につながります。
STEP3:優先順位をつける
課題を整理した後は、すべてに一度に取り組もうとしないことが重要です。
病院のコスト削減では、施策ごとに経営への影響度や実行の難易度が異なるため、優先順位を明確にする必要があります。
優先順位を決める際は、「影響度」と「実行難易度」の2つの軸で整理すると判断しやすくなります。
例えば、効果が見込めて実行しやすい施策は早期に着手し、効果が大きいものの調整や投資が必要な施策は中長期的なテーマとして位置づける、といった整理が可能です。
また、すぐに実行できる施策と、中長期で取り組む施策を分けて考えることも重要です。
契約内容の見直しや運用改善などは短期間で効果が出やすい一方、設備更新やIT導入は計画的に進める必要があります。
取り組みの時間軸を分けることで、現場への負担も抑えやすくなります。
人件費のように、病院運営や医療の質に直結する項目については、特に慎重な位置づけが求められます。単純な削減対象として扱うのではなく、業務効率化や配置最適化といった改善策の一環として検討することで、無理なくコストを削減できます。
STEP4:達成目標と計画を立てる
優先順位が決まったら、次は具体的な達成目標と実行計画を立てる段階です。
コスト削減を確実に進めるためには、「どれくらい削減するのか」を明確にする必要があります。
削減額や削減率など、数値で測れる目標を設定することで、成果を客観的に評価しやすくなります。
あわせて、期限と担当者を明確にすることも重要です。いつまでに、誰が、何を行うのかを決めておくことで、施策が曖昧なまま進んでしまうことを防げます。プロジェクトチーム内で役割を整理し、進捗を確認できる体制を整えておくと、計画倒れしにくくなります。
また、計画を立てる際には、現場に過度な負担がかからないかという視点が欠かせません。短期間で大きな成果を求めすぎると、業務負荷の増加やモチベーション低下を招く恐れがあります。
現場の状況を踏まえ、実行可能で無理のない計画を立てることが継続的なコスト削減につながります。
STEP5:成果を振り返る
計画に沿ってコスト削減施策を実施した後は、必ず成果を振り返ることが重要です。
実施して終わりにするのではなく、削減額やコスト比率の変化などを確認し、効果測定・評価を行うことで、取り組みの成果を客観的に把握できます。
振り返りの際には、目標として設定した数値と実際の結果を比較し、想定どおりの効果が出たのか、出なかったのかを整理します。
思うような成果が得られなかった場合でも、それ自体が失敗というわけではなく、原因を分析することで次の改善につなげることができます。
病院のコスト削減は一度で完結するものではなく、継続的に見直していく取り組みです。
施策の効果や現場の負担状況を確認しながら、必要に応じて計画を修正することで、より実態に合った改善が可能になります。
病院のコストは固定費から見直す

病院のコスト削減を進めるうえでは、単なる経費削減ではなく、病院全体のコスト構造を把握したうえで、計画的に取り組むことが重要です。
本記事では、病院を取り巻く環境変化を踏まえ、コスト削減の具体策や病院種別ごとのコスト構造、実践的な進め方について解説してきました。
病院のコストの中でも、人件費や医療材料費は占める割合が大きく、医療の質や現場の働きやすさに直結するため、慎重な対応が求められます。
一方で、光熱費や設備関連費用といった固定費は医療の質を維持しながら見直しやすい領域であり、比較的取り組みやすいコスト削減ポイントといえます。
特に、照明や空調などの施設設備は、使用状況や老朽化によって必要以上のコストが発生しているケースも少なくありません。
設備の更新や運用の最適化を行うことで、無理のない形で固定費を削減し、中長期的に安定した経営となります。
なお、設備の見直しによる固定費削減を検討している場合は、MASSへご相談ください。
MASSでは、病院をはじめとした施設向けにLED化や空調設備の最適化など、設備コスト削減に強みを持った提案を行っています。
特にLED化については、削減できた電気代の範囲内で費用をお支払いいただく仕組みのため、初期費用0円で導入を進めることが可能です。
契約期間終了後は設備が無償譲渡となるため、長期的なコストメリットも期待できます。
光熱費の削減や設備更新に関心はあるものの、費用面が負担で踏み切れずにいる場合は、以下からお気軽にお問い合わせください。
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